第1部 通学交通の特徴


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第1章 (2)米沢市の事例

ここでは米沢市の通学の現状を、米沢興譲館高校を例にみていく。

1. 米沢市について

米沢市は山形県最南部にある置賜地方3市5町(米沢市、長井市、南陽市、高畠町、川西町、小国町、飯豊町、白鷹町) の中心都市で、人口は95,392人(平成12年度国勢調査)である。

気候は裏日本内陸型の気候で、全国的には降水量がやや少ないものの、 冬に市街地でも平年の最高積雪深が約100cmとなる豪雪地帯である。

2. 米沢興譲館高校について

米沢興譲館高校は米沢市南部の田園地帯にあり、 米沢駅から徒歩で30分、自転車で15分、南米沢駅から徒歩で10分、自転車で5分かかる。 学区は置賜地区3市5町の南学区である。 生徒総数は約700名である。

3. 学生の通学方法

(1) 夏季の通学方法

米沢興譲館に通う生徒のうち約7割は米沢市内に住んでいるため、自転車のみで通う生徒が最も多い。 市外に住んでいる生徒で、高畠町、南陽市方面に在住している者は、奥羽本線(山形線)の最寄り駅から乗車し、 米沢駅で下車し、そこから各自、自転車で通学する。 川西町方面に在住している生徒は、米坂線の最寄り駅から乗車し、南米沢駅で下車、そこから各自、自転車で通学する。 小国町や飯豊町に在住している生徒は下宿生がほとんどで、下宿先から自転車で通っている。

(2) 冬季の通学方法

冬季(12月から3月)は降雪のため自転車の使用が禁止されるので、市内の生徒は保護者の車による送迎やバス、徒歩で通学する。 市外の生徒で、米沢駅を利用する者は、米沢駅でバスに乗り換えて通学する。 このバスは毎年冬に学校が民間のバス会社(山交バス)に運行を委託しているもので、 学校内にある米沢興譲館前バス停まで運行されている。 南米沢駅を利用する生徒は、そこから徒歩で通学する。 また、市外の生徒でも、保護者が米沢市内に通勤している場合には送迎が行われることもある。

4. 通学に際して起こる問題

通学の問題は主に冬の雪によって引き起こされる。 冬季には、それまで生徒の主要な交通手段であった自転車が使えなくなるため、代わりにバスや保護者による送迎に頼ることになる。 しかし、バスは路線が少なく、利用できる生徒が一部に限られることや、運賃が高額である、 本数が少ない、乗り継ぎが悪い、定時性がないといった問題があるため、バスを利用して通学する生徒は少ない (米沢駅を利用する生徒を除く)。 したがって保護者による送迎が行われることになるが、雪によって車のスピードが出ない上に、送迎の車が学校に殺到すること、 また時間がかかるという理由で学校内のロータリーに入らず、学校前の道で車を停車し車から降りるといったことが原因となって、 学校の周囲の道路まで渋滞を引き起こしてしまうという問題が起きている。 これは興譲館高校の付近だけで起こることではなく、市街地にある学校の周辺でも起こっている。 市街地では、送迎の車のほかに多くの通勤者の車が集中するため渋滞はさらにひどいものとなっている。

雪は鉄道にも影響を与え、鉄道が遅れたり、止まったりすることがある。 そのため、市外の生徒は始業時間に間に合わなかったり、 授業を早めに切り上げて下校しなければならないといったことが生じることも問題である。

5. まとめ

送迎によって引き起こされる渋滞については、興譲館高校では渋滞緩和のため保護者と生徒に対して、 学校前の道路で車から降りずに、学校内のロータリーまできて降りるよう呼びかけているが、渋滞の根本的な解決にはなっていない。 渋滞の解決には、学校、自治体、民間バス会社、生徒、保護者とが協力し、 バスの利用を促して集中する車の数を減らしていくといったことが必要ではないかと思う。


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Last modified:2008/9/23

一橋大学鉄道研究会 ikkyotekken@yahoo.co.jp